啄木

勤務先で、国際啄木学会が開催された。なにゆえにインドネシアで啄木なのか、正直良く分からないが、日本文学を世界に知ってもらうには良い機会だろう。

啄木学会の様子

啄木学会の様子

入場者はいるのか?と思ったら、↓の通りぞくぞくと学生がやってくる。インドネシア大学の文学部だけではなく、ジャカルタ中の文学部日本語・日本文学科から教員と学生が押し寄せてきたらしい。スラバヤやバンドゥンから来た先生方もいたそうだ。

啄木学会、受付の行列

啄木学会、受付の行列

司会進行は、インドネシア大学文学部日本語学科の学生が、一生懸命に、そう懸命さが伝わるようすで、行なっていた。

啄木学会、司会の女子学生

啄木学会、司会の女子学生

仕事があったので午前中だけ顔を出したが、最初の発表でこれまでの日本文学のインドネシア語訳がほとんど英語からの重訳であったことが指摘され、それではイカン、誤訳が誤訳を呼ぶだけでなく、文化を越えることのセンシティビティに鈍感である姿勢を問うていた。異議なしである。日本文学に限ったことではない。おおよそ非英語を言語とする書籍の翻訳は英訳からの重訳であることが多い。ウェーバーしかり、フーコーしかり、アルチュセールしかり、デリダしかりである。英語あるいは(主に)アメリカという「特殊事情」を経て成立している翻訳を、あたかも透明なものかのようにナイーブに考える傾向が強いのが残念である。

啄木学会、最初の発表

啄木学会、最初の発表

啄木学会、受付の行列その二

啄木学会、受付の行列その二

啄木学会、受付の行列その三

啄木学会、受付の行列その三