OSS in Indonesia

OSS (Open Source Software)に対するインドネシア政府の取り組みを、日経BPが取り上げていた。確かに政府機関のPC全てに正規のWindowsを導入するのは予算上無理だろう。

この記事だけを読むと、インドネシアにおけるOSSの普及は前途洋々のように聞こえるが、果してそうだろうか?Linuxはここ数年の間に随分使い易くなってきたもの、それでも何かトラブルがあった場合、必ずしも容易に解決できるわけではない。Distribution毎に種々の設定ツールが異なるのも一つの敷居になっていると思われる。これはインドネシアに限らないことだ。また、ドキュメント類のリソースがほとんどインターネット上にある、ということはネット環境が貧弱・高価なインドネシアではなかなかそのリソースにアクセスできない。

あと、結構決定的だと思われるのが、インドネシア人の「ゲンシ(Gengsi, 見栄)」である。何故かは分からないが、(管見の限り)インドネシアでは最新のWindowsを使うことに拘る人が多い。Windowsがカッコイイと個人的には思わないが、Windows2000よりはXPを、XP HomeよりはXP Professionalを、という具合である。どうせ使うのは、ウェブブラウザ(メールはWebMailが主流)、ワード、たまにエクセルだけなのだし、軽快な2000で良いじゃんと思うのだが、そうは行かないらしい。XPが重いというから、XPの飾り機能をぶった切ったら、XPっぽくないから嫌だ、と言われたり。

OSSの普及に重要なのは、キラーアプリだけではないと思う。キラーアプリというだけなら、OpenOffice.orgとかGIMPだけでも相当なものである。何よりソフトウェアの海賊版の一掃、あるいは知的財産に対する理解の普及ということが重要であろうが、これまた(特に後者は)難しいだろう。OSSを使うのがカッコエエ!という雰囲気を作り出すのも重要なのだろうけど、どうすれば良いのだろう。

ちなみに、日経BPの記事に「すでに地方の役所のシステムでオープンソース・ソフトウエアが使われている。運転免許証のシステムやホテルの営業許可のシステムだ。」とあったが、ジャカルタの運転免許センターは金があるのか、Windows2000つかっていたよ。