一昨日の夜、久し振りに夢を見た。僕は基本的に夢は見ないのだが、極稀、数ヶ月に一度くらい強烈な夢を見て、未明に目が覚めることがある。同じ夢を何度も見ることもあるし、一回だけしか見ていない(あるいは一回しか覚えていない)のに記憶のなかにこびり付いて離れないものもある。一昨日のものは前者で、今迄に幾度か見ている。そんなに面白くもないのだが、久し振りの夢なので書いておく。でも興味のない人は読まなくていいです。

ストーリーはこんな感じ。まず、いきなりどこかの誰も住んでいないらしい家に自分がいる。玄関先には既に死体がある。多分、女。血を流しているかどうかは分からないが、僕には血が付いていない。なぜか、その場に別の女がいて、彼女は僕を殺人者だと思っている、と僕は思う。家の裏側の土間だか縁側で、その女を殺す(あるいは殺したらしい)。手で首を締めたらしいが、そのシーンは飛ばされている。手に何の感触が残っている訳でもない。自分が殺したという確信もない。勝手口から家の裏手の土手に登る。そこには、一列になってその家を見下ろすヤクザ風情の人間が数十人いる。僕は詰問されることもなく、普通に彼らの間を通り抜けて、そこで終り。

場面はそれほど長く続いたり、スローモーションになったりもしないが、「あぁ、俺が殺したんじゃないはずなのに勘違いされている。ヤバイ。」というのと「あぁ、殺しちゃた。ヤバイ、どうしよう。」という感情だけをひたすら感じる、感じの悪い夢である。

だいたいにして僕は、夢の中で「ヤバイ、どうしよう」と思うことが多い。一回だけ見て、忘れられないのがこんなフロイディアンが喜びそうな夢。

夜、二階の兄の部屋から、兄と二人で居間にいる父を殺しに行く夢。屋根を伝い、居間に到着して、兄と二人で(そこで急に現れた)斧だか鉈だかで、父親を殺し、ひたすら切り刻む。そして、ひたすら切り刻んだあとに、ふと気付くと、僕が切り刻んでいるのは、父ではなく兄だった。というもの。

なにか自分が素敵に異常な人間のように感じてきた。